Interview

多品種少量生産に特化したビジネススタイルを確立

異業種連携・産官学連携にも積極参加工場拡張・業種拡大・中量生産の取り込みに意欲

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画像:多品種少量生産に特化したビジネススタイルを確立塗装・組立後の筐体

㈱スズミは、神奈川県横浜市に本社・工場、福島県西白河郡に白河工場と2つの生産拠点をもち、情報処理機器・通信機器・測定機器・医療機器などの精密板金加工から組立、塗装・シルク印刷まで手がけている。

2005年、鈴木雄一社長が2代目社長に就任し、多品種少量生産へとシフト。2006年には白河工場内に塗装・シルク印刷工場を増設し、加工・組立・表面処理までの一貫工場を実現した。「高品質な精密板金の多品種少量生産」に特化し、積極的な営業活動を展開することで新規得意先を増やしてきた。

2012年からは異業種連携を行う福島県白河圏域複合企業体「白河素形材ヴァレー」に参加。2016年には相模女子大学・横浜市との産官学連携でデザイン小物を製作するなど、活発な取り組みを続けている。

短期間で多品種少量生産のビジネススタイルを確立し、異業種連携・産官学連携にも意欲的な鈴木社長に、これまでの取り組みと今後の展望について聞いた。

精密板金加工の多品種少量生産に特化

画像:多品種少量生産に特化したビジネススタイルを確立鈴木雄一氏

―2005年に鈴木社長が就任して以降、時代の変化に対応しながら成長してきました。業況をお聞かせください。

鈴木雄一社長(以下、姓のみ) 多品種少量生産へのシフトは概ねうまくいっていると思います。多品種少量生産にも対応できないと仕事をいただけない環境に変化していると判断し、多品種少量生産を上手にこなせる会社を目指してきました。現在の受注アイテム数は、横浜工場と白河工場を合わせて月6,000件前後、平均ロットサイズは20個程度です。お客さまは2000年頃までは50社弱でしたが、今では130社以上に増えました。以前は主要3社が30%ずつを占めていましたが、今は取引高が一番大きいお客さまで20%程度、次が10%強、あとはすべて10%未満です。

お客さまが板金から樹脂やプレスに工法を変えたり拠点を移したりしたことで、1社あたりの仕事のボリュームは減っているため、得意先社数が増えたからといって売上も増えるとは限りません。しかし、お客さまの数を増やしていなければマイナスになるだけですから、今のようには成長していなかったと思います。

―社長就任後の取り組みをお聞かせください。

鈴木 最初にやったことは、従業員のレベルアップと、不良を出さない管理体制づくりです。多品種少量生産に対応できる生産体制づくりを考えたとき、モノ探しをしていては話にならないので、5Sを徹底し、生産管理システムを導入して、受注から出荷まで手戻りなくスムーズに流していける仕組みを目指してきました。

設備面では、2006年には白河工場に塗装・シルク印刷工場を増設、加工・組立・表面処理までの一貫生産体制を構築し、営業面で大きな効果がありました。また、従来のPDC(自動金型交換装置)付きパンチングセルやベンディングロボットセルから、パンチ・レーザ複合マシン3台体制(白河工場はマニプレーター付き2台、横浜工場は単体機1台)へとシフトし、通常のベンディングマシンの台数を増やしてきました。

  • 画像:多品種少量生産に特化したビジネススタイルを確立パンチ・レーザ複合マシンLC-2012C1NT×2セット
  • 画像:多品種少量生産に特化したビジネススタイルを確立HG-1303のAMNC 3iを操作する

会社情報

会社名
株式会社 スズミ
代表取締役
鈴木 雄一
本社
神奈川県横浜市都筑区川向町957-36
白河工場
福島県西白河郡泉崎村大字泉崎字上狐山18
電話
045-478-4661(本社)
設立
1971年
従業員数
48名
主要事業
情報処理機器、通信機器、その他一般精密板金加工、塗装、シルク印刷
URL
http://www.suzumi.co.jp/

つづきは本誌2017年4月号でご購読下さい。

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