加工領域が広いENSIS-3015AJで生産性向上
セラミック複合材の加工にも対応
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得意先・業種の偏りによるリスクを克服
同社は、棚橋雄二社長の祖父が岐阜県各務原市にあった川崎重工業のバス車体製造工場で働いた後に独立。棚橋社長の叔父(棚橋会長の弟)とバス車体部品の外注仕事を始めたのがきっかけだった。棚橋清信会長も途中から仕事を手伝うかたちで、1969年に棚橋板金を個人創業、1979年に東海機工㈱として法人化した。
その頃には、川崎重工業のバス車体部品の加工から産業用車両の部品加工へと業態が変わり、一時期は売上の90%を産業用車両部品が占めるまでになった。ところがある年、得意先から「半年後に内製化するから発注はなくなる」と通告された。会社存続の危機に発展するような1社依存の恐怖を体験し、総力を挙げて危機を乗り越えたその後は、1社あたりの売上比率が15%以上にならないよう、得意先を開拓、リスク分散を行うようになった。
ところが、業種が工作機械分野に偏ってしまったため、1992年のバブル崩壊の影響で仕事は激減した。得意先こそ分散していたものの、同一業種となっていたためリスク回避にはつながらず、ここでも大きなダメージを受けた。
それ以降は業種・得意先を分散して、さらなるリスク回避を志向する。
「お客さまに『No』と言える会社を目指しました。1992年には、本社を現在地に移転するのにともない、社員から新社名を公募、㈱タイメックと命名しました。『タイム』(時間)と『メカニック』を組み合わせ、時代とともに発展することを目指して決定しました」と棚橋社長は語る。
外国人実習生が貴重な戦力に
1995年には、棚橋会長(当時は社長)が岐阜県中小企業家同友会の有志が集まって結成した「岐阜国際同友協同組合」の理事長に就任、中国人実習生の受け入れを計画するようになった。
「労働力の補てんと労務費の引き下げを考えての取り組みでしたが、実習期間後に中国で彼らを巻き込んだビジネスにつなげる狙いもありました」(棚橋社長)。
そして中国がWTO(世界貿易機関)に加盟した2001年、同社は独資で中国に現地法人を立ち上げ、現地企業と連携して人工大理石の製造を始めた。しかし、2012年の尖閣諸島問題を契機にビジネスは中断、中国の人件費が高騰してきたこともあって、人工大理石製造工場を休眠させ、中国人実習生を日本企業に斡旋する仕事も一部を除き終了。現在はベトナム人実習生を斡旋するようになった。
2005年に2代目として会社を引き継いだ棚橋社長は「現在、中国人実習生はいません。9名のベトナム人実習生が就労しています。ベトナムで面接して、実習生として内定した後は、現地で半年間の日本語研修を受けてもらいます。工場で働くのに支障のない日本語を話せるようになり、日報や報告書も日本語で上手に書けるようになっています」。
「社員は実習生を合わせて69名、実習生は貴重な戦力です。中国で始めた人工大理石の事業は現在、各務原市内に開設した総合研究所・工場で製造を行っていますが、台湾やベトナムのローカル企業とも提携し、現地での製造を計画中です」と語る。
会社情報
- 会社名
- 株式会社 タイメック
- 代表取締役
- 棚橋 雄二
- 住所
- 岐阜県関市武芸川町八幡7-1
- 電話
- 0575-46-1106
- 設立
- 1979年(1969年創業)
- 従業員
- 69名
- 主要事業
- 工作機械、設備機械、土木建機、特注建築金物、環境関連機器の製缶板金製品の開発・製造・販売/人工大理石製品の開発・製造・販売
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